「ミュンヘン行きが宝石鉱山へ代わった話」

ヨーロッパは10月28日(日)から冬時間になりました。この冬時間は来年の3月29日 の3月最終土曜日までつづきます。その間、日本との時差が8時間になります。

毎年、11月初めに、ドイツのミュンヘンで、ミネラルのフェアがあります。今年も、それ に行きたい、と切望していました。

私は、石屋ですので、ジュエリーのフェア以上に、ミネラルのフェアが好きです。大好きな ミネラルを見れますので、買い手側の心境や態度で行きますから、ワクワクしながら、会場 を回っています。

その大好きなミネラルのフェアの中でもミュンヘンのミネラルのフェアが特別に好きです。 学問的な、あるいは、コレクターむきの「遊び」があるからです。それも、高度に専門的な 「遊び」があって、私には、じつに、楽しいです。

ホントウに、実戦的な買い手の方々には、迷惑な遊びなのかもしれませんけど、ホントウは 買う気のない見物人の私ですから、あの遊びの奥深さが大好きです。

ミュンヘンはドイツ南端に近い街ですが、背後にアルプスがひかえていますので、冬には、 冷えたら、冷えこみます。高速道路の路面も凍結します。

2月のインホルゲンタの時のほうが、凍結した路面の危険は、おおきいですが、危険は危険 ですので、私はミュンヘンのミネラルフェアへ行く直前に、例年、クルマのタイアをサマー からウィンターへ替えて、出かけます。

私には、2月のインホルゲンタは、暗く長かった冬を超えての明るい春への旅立ちですが、 11月初めのミュンヘンへの旅は、これから、はじまる、長い冬への旅立ちです。

クツも靴下も、厚手のアンダー・ズボンも、服装は、今期初めての完全冬装備です。クルマ もウィンタータイアへ替えますが、私の服装も冬の服装へ衣替えです。

手袋も街用の薄手の5本指(と言っても、羽毛の中綿入りの、防雨や防風機能の強い、丈夫 な化繊製品)に加えて、マイナス30℃以下でも暖かい、ヨーロッパ・アルプスの冬山仕様 の軽量な小型のミトンを、長旅用のバックに入れます。

クルマの事故や高速道路の不通などの不測の事故への備えですが、それ以上に、私の気持の 上では、「さあ来い、冬よ!冬には冬の生活を思いっきり楽しんでやるぞ!」という私自身 へのハッパです。冬の寒さへ向かう気持のテンションを高めます。

それにしましても、その2つの手袋を眺めながら、感心していました。ムカシの手袋に比べ たら、重量は四分の一ぐらいでしょう。しかも、小型で、五本指のほうだけでなく、ニ本指 のミトンだって、街の仕事場でも使えそうな軽さやカタチやカラーです。

今年2月のミュンヘンのインホルゲンタの際に、街のなかで、世界的に有名な登山洋品会社 の直営店のディスカウントセールで、4割引で買ったせいもあるのでしょうけども、値段は ムカシの値段に比べたら、半額よりも、はるかに、ずーっと、安いです。

デジカメのモノスゴク高速な進化にビックリしていますけど、世の中は、スゴイ速度で進化 しているのですね。そして、進化のスピードの高速な商品しか、買い手側では、買う気には ならないのですね。

ところが、この待望のミュンヘン行きが、急な不測の事態に直面して、実行できなくなって しまいました。私にも残念無念でしたが、私のミュンヘンのミネラルの写真は、私のサイト の中では「特別な」ファンのおおい写真ですので、例年の通り、期待されていた方々には、 まことに、申しわけありませんが、今年は、空振り、に終りました。

ミュンヘンは、私だけでなくて、ヨーロッパの多数の人々にも、ドイツの多数の人々にも、 特別に、行きたい、滞在したい、住みたい、街のようです。

私の場合、アントワープ住人時代は、特に切実でした。アントワープの冬は暗くて雨の日が おおいですから、11月初めからはじまった、雨の日ばかりの冬に、あきあきしていた時の 2月下旬のアントワープからミュンヘンへの長いクルマの一人旅は、まさに、待ちに待って いた、憧れの春への、旅立ちでした。

アントワープ時代には、11月下旬〜12月上旬の週末には、ケルンなど、ベルギー国境に 近いドイツ国内の街のクリスマス市場へ通って、ウサ晴らしをしていました。

このドイツのクリスマス市場行きは、私が、東京からアントワープヘ移住して、はじめは、 仕事仲間であったユダヤ人街に住んでいて、やがて、その課程を卒業して、アントワープの 旧市街の住人になりはじめた時代に、土着の先祖代々のキリスト教徒であるアントワープの 旧市街の住人たちから、勧められて、誘われて、覚えて、身についた、習慣でした。

さらに、クリスマス休暇に、アルプスへ行って、スキー休暇を楽しんで、心身の健康を回復 していました。

それでも、11月初めから、毎日、雨のふりつづく、暗い暗いアントワープの冬は、じつに 長かったです。

クリスマス休暇に、冬にも頭上に太陽が照っている、アルプスへ行くようになってからは、 冬時間の毎週末に、パリを往復したくなるほどのストレスは、心身に蓄積しなくなりました けれど、それでも、あの暗い冬は、じつに長かったです。

その暗い冬に、心身が耐えられなくなって、4月のイースター休暇のアルプスのスキー休暇 を夢みて、その早すぎる準備をして、自宅の部屋中に、登山やスキー用品をならべることに よって、心身のストレスの解消に、努力していた時期に、ミュンヘンのインホルゲンタへの クルマの長い一人旅がありました。

じつに、うれしかったですね。じつに、楽しかったですね。まだ、明るい昼間の時間が短い 冬の朝なのに、バカみたいに、早く起きて、アントワープを発って、毎年、必ず、午前9時 まえには、フランクフルト空港横の高速道路を通過していましたからね。たぶん、9時より 8時に近い時間だったでしょう。若かったですね。

ケルンからの、あのドイツの高速の3号線は速い道でしたけど、それにしても、モノスゴク 「ぶっとばして」いたのでしょうね。

フランクフルトを過ぎるまでは、ラッシュ・アワーの前に、高速道路上のクルマの交通量の おおいフランクフルト周辺を通過したい気持が強かったですから、夢中で、先を急いでいた のですが、フランクフルトを通過すると、高速道路のまわりの自然も、空の空気も、明るく なりまして、ヨーロッパ大陸の、暗い西北端のアントワープから、明るい中央部分へ自分が 入ってきて、春に近づいてきた実感がしてきて、うれしかったです。

特に、ニュルンベルグを通過しますと、自然景観も変って、道路上のクルマの数も減って、 暗い冬の国から明るく暖かい春の国へ入ったような、ウキウキした気分になりました。

アントワープから、ドイツへ移住した最初のインホルゲンタでは、じつは、私がフェアより もミュンヘンへ来たくて来た事実が、ドイツの仕事仲間に、バレないか?心配でした。

ところが、ドイツ側では、長年のアントワープ住人である、私は、ヨーロッパのクルマの旅 には慣れているだろうけど、ミュンヘンは知らないだろうから、私が、どこで、どんな生活 をしているのか?心配していました。

そして、インホルゲンタ会場内で、昨夜、ミンナが、どこへ泊まって、何を食べたのか、話 し合って、大笑いになりました。

私は、ヨーロッパのクルマの旅では、パリでも、イタリアのベローナでも、どこでも、特別 に楽しい街へ泊まるときには、つねに、旧市街のセンターのベストな場所に位置するホテル へ泊まって、旧市街をエンジョイすることに決めています。パーキングがラクで、家族経営 の小さな古風なホテルを選びます。

ミュンヘンは私には慣れ親しんだ街ですから、そのようなホテルも、ツマミの美味いワイン 飲み屋も、よく知っています。

私一人の場合は、ミュンヘン名物の大きなビア・ガーデンには行きません。スゴクやかまし いうえに、出展者や来場者のヨーロッパ人の知人のグループに遭遇する可能性が、きわめて 高いからです。せっかくのミュンヘンですから、一人のときには、一人の楽しみかたを満喫 したいです。

この私の習性が、ドイツ側にバレてしまいましたので、大笑いになりました。なんだ、それ なら、心配なんかするんじゃなかった、という話になりました。

そして、私も、気がつきました。ドイツ側の出展者たちも、まじめに、仕事に集中している カッコウをつけているだけで、じつは、ホンネでは、ミュンヘン生活を楽しみたくて、その 気持を強くもって来ている、という事実に。

ミンナは、出展者ですから、インホルゲンタ会場の近くのホテルへ泊まっていましたけど、 それじゃ、つまらないよ、せっかく、カーニバルの季節のミュンヘンへ来ているのだから、 従業員だけ残しておいて、オレタチは、街のなかのホテルへ泊まろうや、とか、なかなか、 過激な話になりました。

イタリアのヴィチェンツァや、スイスのバーゼルのフェアには、西ヨーロッパの各国の会社 からの来場者が、驚くほど少ないです。

その代わりに、アジア諸国からなど海外からの来場者が、驚くほどおおいです。じつは会社 の経費を盛大に使って、おおっぴらに、海外観光旅行を楽しめる、絶好なチャンスだから、 あんなにも、おおいのだ、という説もあります。

ヴィチェンツァやバーゼルですと、長年の、歴史も、実績もありますから、税務署用には、 絶対的なブランド力の信用があるのでしょうか?

バーゼルに西ヨーロッパの会社が行きたがらないのは、さまざまな理由がありますが、主な 理由は、スイスがヨーロッパ合衆国の外国であるため、税務や輸入手続の問題で、さまざま な不都合があるからです。

それから、バーゼルも、ヴィチェンツァも、出展者にヨーロッパの会社が多くて、いつでも 買える会社ばかりですから、わざわざ、出展コストの高いフェア会場まで、買いに行く気が しないのでしょう。

ヨーロッパの業界内の評判(=悪口)では、バーゼルへ出展しているヨーロッパの会社は、 国際的には有名なんだけど、ヨーロッパの会社には、売れない会社ばっかりだ、そうです。 もちろん、これは、時計とは、無関係なジュエリー業界内だけの話です。

それに比べたら、2月下旬のミュンヘンの街の魅力は、ヨーロッパ人には、きわめて、高い のかもしれません。

それから、合法的な節税の技術の発達した社会ですから、ヨーロッパ人社会に特有の節税を 確実に実行可能にできる余地のおおきさのメリットも、おおきいのかもしれません。

とにかく、さまざまな理由で、ミュンヘンには、ヨーロッパ各国からの来場者がおおかった のですが、いまや、近い将来に、ヨーロッパがおおきく拡大しつつありますから、来場者数 の拡大は、さらに、長期的に、つづくかもしれません。

未来のヨーロッパ合衆国=ヨーロッパ大陸全土の地図を広げて、じっくり、しみじみ、ご覧 になると、もしかしたら、お分かりいただけるかもしれませんが、要するに、ミュンヘンは ヨーロッパの文化的、情報的、地理的、などなどの中心部分、「=ヘソ」に位置しているの ではないでしょうか?

ですから、北イタリアやスイスのウチの業界の連中に、ミュンヘンのインホルゲンタの話を 聞きますと、ビックリするような、マイナスの意見を言います。

もしかしたら、近在の彼らには、ミュンヘンの「ありがたい姿」が、あまりにも近すぎて、 見えないのかもしれません。

私の場合、ドイツへ移住しましてからは、ミュンヘンが近くなりましたので、ミュンヘンへ の思いも少し変りましたけど、ヨーロッパのなかで、特別に好きな街である事実には変りは ありません。

いまでは、2月と11月のほかにも、毎年、何度か、滞在したり、通過したりしています。 身近になりましたので、アントワープ時代のような「憧れ」は薄くなったかもしれません。 けど、もっと、細部まで、くわしくは、なりました。

フランスのアルザスに比べたら、かなり遠いですから、アルザスほどは気楽には行けません けども、チョットでも、時間的に、精神的に、余裕があったら、いつでも、行きたくなる街 の1つです。

難点は、やや、遠いこと、大きな街としては、ふつうなのですが、私には、やや、ホテル代 が高いことと、値段が安くて、海の幸と、ローカルなワインの美味いレストランが、まだ、 発見できていないことです。

ドイツのイーダル周辺の冬も寒いですけど、ヨーロッパ大陸の西北端の海辺のアントワープ に比べたら、雨の日も、降雨量も少なくて、冬が明るいです。

ですから、冬の小さな旅を、ひんぱんに、ラクに、実行できますから、このサイトの写真も 撮りやすくなりました。それも、ドイツへ移住した理由の1つでした。

高原のなかですから、積雪量や積雪のある日数はアントワープよりもおおいですが、ドイツ の国のサービスのレベルは高いですから、除雪が完全で、クルマの交通は、ベルギーの国内 よりも安全です。

ミンナ、山道にも雪道にも慣れていて、法律の定めで、ウィンタータイアを着用しています けども、ベルギー国内では、ほとんど全員がサマータイアのままですから、こわいですよ。 それから、ベルギー国内は、除雪も不完全です。冬は、国境を越えるのが、こわいです。

いま、イーダル周辺から、ミュンヘンへ、クルマの一人旅をするときは、アントワープ時代 のことを、いつも、なつかしく、思い出しながら、運転しています。

けど、あのころは、苦しかったなとか、つらかったなとか、などとは考えていません。あの アントワープ時代を通過して、超えたからこそ、いまの私がある、私とヨーロッパとのいま の関係の基盤をつくってくれたのは、あの時代のお陰なのだ、そう考えています。

もし、いきなり、ミュンヘンに出会ったら、私は、いまのように、ミュンヘンを好きになれ たかどうか、理解できたかどうか、自信がありません。

要するに、アルプスは、私には、地上の楽園であり、天国です。その東北部の重要で大きな 関門であるミュンヘンへの私の思いも格別です。ですから、行けなかった言い訳に代えて、 PRをさせていただきました。

今回のトップの写真はイーダル・オーバーシュタインの「宝石鉱山」の内部です。今年は、 残念無念にも、ミュンヘンのミネラルの写真を出せなかったですので、それに代わるモノを 身辺に求めました。

鉱山の1部分に地下水が流れていまして、その地下水の美的な効果を期待して、撮ったので すけども、鉱山ガイドが気を効かせて、水に照明を当ててくれましたので、神秘的に見えた 水のブルーが消えてしまいました。

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この日の客は、ベルギーからクルマで来た、小さな男の子と女の子と、その両親と私の5人 だけでした。こんなところで、突然に出会っても、ベルギーから来たと聞いただけで、故郷 の田舎の、なつかしい知人に出会ったような気分になるのが、不思議です。鉱山ガイドが、 私のお陰で、案内がラクになった、と言って、喜んでくれました。

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鉱山の坑道の壁に顔を出していたロッククリスタルの結晶です。もちろん、この鉱山の天然 のままの鉱石です。

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この鉱山の産物の展示です。

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この鉱山はイーダルの市内の高原のなかにありますけど、無料の公共パーキングから、少し 山道を歩かなければなりません。石の好きな方には、必見に値する楽しい場所なのですが、 どなたさまにも、お勧めしかねるのは、そのせいです。

裏道から、鉱山の入口のそばまで、クルマで来る選択もあるのですが、よく整備されてある 観光鉱山ですから、やっぱり、観光コースの順路どおりに来たほうが、楽しいです。

じつは、カラ松の黄葉の落葉が山道に積もって、黄色いジュウタンのようになっていました ので、その感触を往路に楽しんだ私は、帰路にも楽しんで、写真にも撮って帰ろうと考えて いたのですけど、鉱山のオジサンが掃除をして、ジュウタンを消してくれました。私は山屋 ですから、楽しんだのですが、ふつうの観光客にはジャマ物なのですかね?

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それで、高原の黄葉の落葉がジャマ物なら、これは、いかがですか?と代わりにモーゼルの 河岸のブドウ畑の黄葉を出しました。

前回のモーゼル河岸の黄葉が、まだ、若かったですから、今回は11月1日に撮った、ほぼ 全盛期に「近い」今年のモーゼル河岸のブドウの黄葉です。

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